INTERACTION DESIGN PROJECT

これまでの作品

2022

『ボウハコ』
ボウハコボウハコボウハコ
 妖怪を災害に見立てた防災訓練ゲームとイベントの提案。イベントでは、アプリケーションを用いたゲームと避難所でアクティビティを行う。
 防災訓練ゲームは、主に2つの目的がある。1つ目は、アプリゲーム内で妖怪の特性をヒントに適切な避難方法を自ら考え、実際の避難所や安全な場所に行くことで、被災時に災害の特徴や周囲の状況から適切な避難行動を取れるようにすること。2つ目は、避難所でのアクティビティで地域の住民とコミュニケーションを取り、今後も防災情報を共有できる関係を築くこと。
 防災訓練ゲームにおいて、妖怪を災害のメタファーとして用いている。京都には百鬼夜行などの妖怪伝説が数多く存在し、現在でも人々の間に根付いているという文化が存在する。日本人には馴染み深く、外国人には興味をそそられる対象である妖怪を用いることが、防災意識の低い住民にアプローチする手段として有効であると考えた。また、妖怪は歴史的に災害とも深くかかわりがあることから、本テーマに適している。

 キャッチコピーは、『街に潜む妖怪からの逃走をモチーフにした避難シミュレーション』。


『Tasuki』
TasukiTasukiTasuki
 日本の伝統工芸品は、施されている職人の細やかな技巧によって人々を魅了し、長く使い続けられる良質なものとして、日常生活に豊かさを与えてきた。 しかしながら、伝統的工芸品の生産額及び従業者数は年々減少の一途を辿っている。従事者は低所得であるため、工芸を制作するだけでは生活することが難しくなってきている。 また、生活様式の変化により、人々が伝統工芸品を購入する機会が減少している。伝統工芸品は、日本の歴史と文化を後世に伝え、暮らしを豊かにするものであり、本サービスが伝統工芸業界の抱える課題を解決する一助となることは社会的に大きな意義があると考える。
 「 Tasuki」は、作り手の収入を上げること、消費者が工芸に手を出しやすくすることの2点を目的とした、伝統工芸品の貸出サービスである。作り手から工芸品を預かり、それを従来の上代よりも安価に消費者に貸出を行い、レンタル料の7割を作り手に報酬として支払う。借り手はサイトやアプリからTasukiにアクセスし工芸品をレンタルできる。その際、作り手や以前の利用者、さらにはそれより前の利用者がどのように使用していたかを見ることができ、容易に使用シーンを想像することができる。さらに作り手は、Tasukiに工芸品を出品することで収入源を増やすだけでなく、利用者の作品に対する意見や感想を見て新たな作品を制作するモチベーションやアイデアを得ることができる。
 本サービスの普及によって、大量生産・大量消費の時代の中で現代人が伝統工芸品のモノの良さを再認識することを目指している。また、作り手の収入が増えることによって、従事者の生活に現在よりも余裕が生まれる。長期的な視点で考えれば、新たな作り手が増え、後継者不足の解消につながることも期待できる。

 キャッチコピーは、『伝統工芸品を作り手から借り、次の借り手へとつないでいくサービス』。


『VanzaY』
VanzaYVanzaYVanzaY

 今日の食品業界でフードロスが深刻な問題となっている。その中でも野菜のフードロスは、生産時、卸売り時、小売時、消費時と、流通の各段階毎に発生する。各段階で様々なフードロス対策がなされる中、生産時に発生する形や見栄えが悪い規格外野菜には、格安販売か廃棄しか行き先を持たない生産者が多いという問題が目立っている。
 そこで規格外野菜を救う手立てとして、VanzaYを提案する。VanzaYは規格外野菜と正規野菜を同等の値段で仕入れ、冷凍おばんざいに加工し、依頼者がアプリを通して指定した消費者に届ける手順を踏んだC to B to C のおばんざい生産・配送サービスである。
 本事業における一連のサービスを通すことによって、農家で廃棄される規格外野菜を減少することができ、フードロス解決の一助になることが期待できる。また、消費者はVanzaYの栄養満点のおばんざいによって、身体的な健康が維持でき、依頼者はそのことに安堵できるという副産物的効果も期待できる。

 キャッチコピーは、『親心に寄り添った、がんばる人と地球に優しい宅配おばんざい』。


『poi point』
poi pointpoi pointpoi point

 ゴミ問題は身近であるが、一方でゴミ分別に対する意識は低い。アンケート等により、多くの大学で正しいゴミ分別ができていないことがわかった。ゴミを分別しない理由として、ゴミ出しが面倒であること、捨てたいゴミに対応するゴミ箱がわかりにくいことがある。これらを排除し、自らゴミを捨てたくなるシステムが「poipoint」である。poipointは、大学のゴミ捨てコスト削減と学生のゴミ分別促進を両立させるサービスであり、主に以下3点のサービスを提供する。
 1点目はゴミの分別が今より直観的にできるゴミ箱形式の提案である。2点目は、ゴミを収集場に持ってきた人に、その量や回数に合わせて大学生協などで利用できるポイントを付与するシステムである。これにより、学生のゴミ出しモチベーションを向上させることを狙う。3点目は、アプリ上でのイベントの提供である。利用者がゴミ問題についてより俯瞰的な情報を得られるようなイベントとすることで、ゴミ問題への意識を高めることを目的とする。
 poipointを利用することで、大学側も外部の清掃業者への委託費が減少するというメリットがある。多くの大学でゴミ処理コストの低下が見込まれる。

 キャッチコピーは、『1ポイっと1ポイント、大学内のゴミ回収促進システム』。


『LunTabᒧe』
LunTabᒧeLunTabᒧeLunTabᒧe

 本事業はコロナ禍で減少してしまった出会いや友達作りの機会、対面のコミュニケーションの機会を増やし、孤独感や不安感を解消するために考えられたものである。特に近年はコロナ禍の影響もあり、新しく人と出会う機会や、そもそも対面におけるコミュニケーションの機会が減少しつつある。もちろん、オンラインにおけるコミュニケーションはとても効率的であり、ミーティングを行う際などには適していると言える。しかしながら、相手の表情を感じながら会話を行うことや、食事を共にするという、何かしらを共有しながら過ごせる、といった対面でしか感じ取ることが出来ないものがある。また、多くの人は対面におけるコミュニケーションの機会が少なくなったと感じており、それらの場を求めている。しかしながら、現状としてそのような機会・場が少ない。
 この現状を受け私たちが提案するのが、「LunTabᒧe(ランタブル)」という大学生を対象にSNSにはない対面コミュニケーションの良さを実感できる機会・交流の場を提供する。

 キャッチコピーは、『「ここに行ったら誰かに会える」を作り出す相席システム』。


『とも日記』
とも日記とも日記とも日記

 近年、認知症患者の数は増加の一途を辿っており、また、高齢者に占める認知症患者の割合も年々増加している。認知症介護における、別居している家族が離れた場所から高齢者の日々の生活を支援する「遠距離介護」では家族側に大きな負担がかかる。また、家族側が認知症患者の生活状態の実態を把握することが難しいケースも存在する。
 そこで我々は、日記を利用した遠隔介護支援サービス”とも日記”を提案する。このサービスは、認知症患者が書いた日記を家族の元へ届けることで、認知症患者と家族間のコミュニケーションの円滑化と、自宅への訪問が困難な状況でも、遠隔での見守りを実現するサービスである。
 認知症患者は自宅に設置したタブレットと、タブレットと連動したノートデバイスを使って、日記を記入する。記入した日記は、タブレットからインターネットを通じて家族側のスマートフォンのアプリに届く。また、日記の更新が止まればアプリから通知が届いて安否の確認を促す。
 このサービスを遠距離介護を行っている家庭に導入することによって、家族側が認知症患者の状態を簡潔に把握し、日々の生活の簡易的な見守りを実現することができると考えられる。
 これからますます増える認知症患者の数に伴って、個々の症状に合わせた多様な介護形態が求められる。本サービスは、介護をする側の負担が大きい遠距離介護という形態に着目し、介護者の支援と負担軽減の実現を目指す。

 キャッチコピーは、『認知症患者と「ともに」行う交換日記による遠隔介護支援サービス』。


『RE:COORDE』
RE:COORDEYRE:COORDERE:COORDE

 現在ファッション業界が抱える問題として、大量生産・大量消費のビジネスモデルが流行し、その裏で生産者の劣悪な労働環境や有害物質による環境被害という問題がある。
 そこで古着の回収を行い、着回しコーディネートを組み、販売するサービスを提案する。回収された古着でコーディネートを組むことで、ファストファッション古着の二次流通を叶える。また、服を購入する時や服を廃棄する時の選択に、ユーザーが環境に対する意識を持つことを期待している。まずは服を可燃ゴミとして捨てる回数を減らすことから始まり、長期的には服の寿命を伸ばすことで、服の購入頻度を減らし、ファストファッションの消費サイクルからの脱却を目指す。
 本事業での主なターゲットは以下の2者である。①環境問題に興味があるが、具体的な行動に移すことが出来ない大学生。②ファッションを楽しみたいが、自信がない大学生。
 両ターゲットに対し、社会課題に貢献する行動の一つとして、ファッションという身近なフィールドで容易に取り組みやすいサービスを提案し、購買行動に対する意識を変化させる

 キャッチコピーは、『その服はまだ、着尽くされていない。 着回しコーデUSEDブランド』。


『想贈 -sou zou -』
想贈 -sou zou -想贈 -sou zou -想贈 -sou zou -

 日本の伝統産業、代表的な文化の一つである和菓子。しかし、最近では大手和菓子メーカーが廃業に追い込まれるなど、和菓子産業は衰退の一途をたどっている。その要因として、手土産の機会の減少、洋菓子の人気向上に伴う和菓子離れが主に挙げられる。そこで少しでも和菓子を食べる機会を増やすため、「和菓子で想いを贈るオンラインギフトサービス 想贈 -souzou-」を提案する。
 本事業は、オンライン上で和菓子をオリジナルでデザインでき、それをオンラインギフトとして贈るサービスを提供するものである。これまでにないオンライン上での和菓子のデザインは、手軽にアクセスでき、職人ではない一般人がデザインできるというおもしろさを持つ。また、練り切りの柔らかい材質的特性、和菓子特有の道具に依存した加工方法とそのパラメーターを画面上で再現しているという点に新規性がある。
 加えて本事業は「贈り手」と「受け取り手」間のコミュニケーションを促進するだけでなく、「贈り手」、「受け取り手」と製造する和菓子職人をオンラインでつなぎ、和菓子を介したコミュニケーションを提供する新しいサービスである。
 より多くの人に和菓子の文化性、造形の自由さ、美味しさなどの魅力を知ってもらい、本事業をきっかけに和菓子店に足を運んだり、和菓子を購入する機会が増えたりすることによる、和菓子産業全体の売り上げ向上と発展が本事業の目的である。

 キャッチコピーは、『和菓子で想いを贈るオンラインギフトサービス』。





2021

『いど畑』
いど畑いど畑いど畑
 ⽇本は⼈⼝に占める⾼齢者の割合が21%を超⾼齢社会であり、⼀⼈暮らしをする65歳以上の⾼齢者は、2040年時点で900万⼈に達すると予測されている。⼀⼈暮らし⾼齢者は、そうでない⾼齢者に⽐べて社会的に孤⽴しやすく、それに伴って⾝体的機能や認知機能の衰えが早い傾向にある。特に男性は、退職後に新しいコミュニティを作りにくく、その傾向が強い。この観点から、⼀⼈暮らし⾼齢者(特に男性)が⼼⾝ともに健康な⽣活を維持するためのコミュニティに需要が⾒込まれるが、現在は選択肢が少ない。さらに2025年以降「団塊の世代」が75歳以上の後期⾼齢者になることから医療費の⼤幅な増⼤が⾒込まれており、国の財政的観点からも⾼齢者の健康維持は急務である。
 本事業「いど畑」では、⼀⼈暮らし⾼齢者に向けて、共同菜園と賃貸住宅が併設された施設を提供し、⼊居者や地域住⺠のコミュニティ形成をサポーターが⽀援する。⼊居者はまず、季節ごとに「いど畑」が提⽰する数種類の野菜の中から、育てたい野菜をいくつか選択する。同じ野菜を育てるメンバーとともに同じ⽇に種植えを⾏い、サポーターや⼊居者の間でアドバイスをし合いながら野菜を育てる。地域住⺠に対しても、菜園の有料貸し出しや収穫物を使ったイベントの開催などにより、住居内にとどまらず地域に開かれたコミュニティの実現を⽬指す。

 キャッチコピーは、『「菜園×住居」でつながるひとり暮らしシニアのいどばたコミュニティ。』。


『hanalog』
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 花屋は、生活を彩る花を購入するだけでなく、街を彩り、景観向上のために欠かせない存在である。しかし、手頃な価格と利便性から、ネット販売に取って代わられていることもあり、店舗数は年々減少している。花屋は、売上向上を目指し多様化が進み、ギフトショップやカフェを併設した新たな小売店も見られる。個性豊かな花屋が増える一方、消費者にあまり伝わっていないのが現状である。そこで、花屋と顧客をつなげるプラットフォーム「hanalog(ハナログ)」を提案する。
 本サービスでは、様々な花屋の店舗情報や扱っている商品の価格帯が掲載され、顧客は簡単に各店舗を比較し、目的に応じた花屋を探し出すことができる。現在、花屋の写真や口コミはネット上に少なく、顧客は花屋に訪れることに壁を感じている。しかし、「hanalog」を使用することで、より花屋を身近に感じてもらうことが可能だ。花屋にとって「hanalog」に加盟し、情報を掲載することは、店舗独自のホームページ設立の代替となる。顧客に店舗の個性が伝わりやすくなり、新規顧客の獲得につながる。また、顧客の属性や購買趣向を閲覧できるため、消費動向に応じた仕入れ量の調整ができ、無駄をなくすことが可能だ。さらに、店舗ごとに、アプリ上で、閉店間際に割引販売の通知や、予約販売を実施することで手頃な価格を実現することも可能だ。
 「hanalog」が全国的に普及すると、花屋どうしの差別化競争も激化し、より一層、花屋の多様化が進むだろう。人工物で溢れる生活の中で、花屋の存在が、多くの人にとって心の栄養となることを期待する。

 キャッチコピーは、『花を身近に、生活を豊かに。』。


『omoiai』
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 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、人々の働き方は大きな転換期を迎え、多くの組織がテレワークを導入した。テレワークを導入した企業の満足度は高く、生産性の向上も促された一方、業務の効率化が推進されたことでインフォーマルなコミュニケーションの場、つまり社内コミュニケーションが減少した。希薄化するコミュニケーションによって不安や孤独感を感じてしまう人や、メンタル不調(うつ病)になってしまう人が増加し、組織運営に影響を及ぼしている。
 そこで本事業では新たなテレワーク下での社内コミュニケーションツールとしてプチギフトの配達、およびオンラインイベントの企画をするサービスー『omoiai(オモイアイ)』を提案し、社内コミュニケーション不足、それに伴うワーカーの孤独感の解消を目指す。本事業では、テレワークを実施しており、社内コミュニケーションに課題を感じている東京のIT 企業と契約し、社内アプリケーションのサービス管理を行う。

 キャッチコピーは、『ささやかな想い合いが心を紡ぐ』。


『AiSEKi』
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 近年、日本においても環境保護などの観点から「ビーガン(菜食主義者)」が注目を集め、人口もふえてきている。しかし、他国に比べてビーガンのようなフードマイノリティが少ない日本では、フードマイノリティ全体、特に訪日外国人が日本において飲食店を選ぶ際に必要とする情報を提供できていない飲食店が多く、過ごしづらさにつながっている。
 そこで、本事業「アイセキ(AiSEKi)」ではこれを解決するために、飲食店においてフードマイノリティを含む訪日外国人が必要としている情報を整理し提供する。飲食店から訪日外国人へは「アイセキ」を通して店舗で提供される食材やサービスに関する情報が提供される。訪日外国人らはそれらの情報を確認した上で、店舗の予約をすることも可能で ある。また、市民から訪日外国人へは「アイセキ」を通して、利用者独自の情報(注文の仕方、食べ方、その店独特のルール、などの市民だからこそ知り得る情報)がコメント形式で投稿される。このコメントに対して訪日外国人側は「役に立った」などのレスポンスを返すことができ、それによって市民側は飲食店からクーポンなどを得ることができる。さらに、市民と訪日外国人は「アイセキ」を通してマッチングによる飲食店で、前述した情報を直接得れると同時に、市民とのより親密なコミュニケーションにより飲食店での心配事の多くが解決される。
 本サービスにより、フードマイノリティを含む訪日外国人が日本に来て、飲食店を選ぶ際に自分の価値観に合った食事を提供する店を見つけにくいことや、飲食店に入店して料理を選択、注文することが難しいと感じることなどの、飲食に関する困りごとやストレスが解消される。その結果、飲食店と市民を含めた京都市全体の多様性に対する意識が高まることが期待される。

 キャッチコピーは、『食べる。知る。繋がる。』。


『delicle』
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 新型コロナウイルス感染症の流行に伴うテイクアウトの需要の増加が、結果的にプラスチックごみ等の増加の問題を引き起こしている。その問題の解決策として、私たちは新たなフードデリバリーサービスである『delicle(デリクル)』を提案する。その最大の特徴は、食事を入れる容器にリユース可能容器を使用することである。その容器を循環させることで、従来使用されていたプラスチック容器等の削減を 実現する。
 私たちのサービスは、既存フードデリバリーサービスと同様に専用のアプリで注文を行うことを想定している。それに加え、本アプリ内には企業広告動画の視聴や企業アンケートの機能がついている 。これはユーザが注文した商品が届くまでの間の待ち時間に広告視聴やアンケートに協力することで、そのインセンティブとして配送料を無料にできるものである。 また、飲食後の容器はユーザがアプリ内で対面もしくは非対面を選択し返却を依頼したのちに、配達員が回収する。注文時、容器代としてデポジット代金が徴収されるが、容器の回収が完了すると、その料金分が次回以降の注文時に利用できるクーポンとして還元されるため、実質的に無料となる。
 本サービスには循環する容器に企業広告(ロゴ)が掲載されるほか、アプリ内でのアンケートや広告動画再生の機能があるため、それら の収益によって配送料無料を実現し、従来のデリバリーサービスよりも配達料分サービスを安く提供できる。容器の返却やアプリ内での広告視聴やアンケートの回答は面倒な作業ではあるが、 待ち時間等に少しの手間をかけるだけで、安くサービスが利用できるという便益をユーザは受け入れると想定している。また、サービスの利用自体がプラゴミの削減につながり、環境維持や持続可能な社会への貢献もできる、環境に優しいサービスであるという点もユーザに訴求できる点である。

 キャッチコピーは、『容器がまわれば、地球もまわる』。


『tabimelo』
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 2020年のコロナ禍により京都を訪れる観光客数は激減し、京都観光は危機的状況を迎えている。これは単に観光業だけでなく、伝統産業や京都市財政にまで影響を及ぼす大きな社会課題であるが、反面この課題を解決出来れば多方面の他課題も解決に導ける可能性を秘めていると考え、私達はこの課題に取り組むことにした。webやアンケート、インタビュー調査から仮想観光業の発展と可能性が明らかになり、課題解決のテーマを「テクノロジーで観光の新形態を提案」に定めた。既存仮想観光業との差別化のため、多人数のプレイヤーが一つの仮想世界に接続し、冒険や生産、経済活動を行うMMORPGの例を参考に、仮想観光と現実観光を組み合わせ現実空間をベースに、仮想観光客と現実観光客がお互いに交流しながら新しい観光体験を楽しめるxR観光サービスの提案を行うこととした。
 本事業はサービス名を「tabimelo」と呼称する。サービス名の由来は日本古来の客人(マレビト)信仰の「マレビト」のアナグラムである。tabimeloは現実世界と仮想世界を融合させるVR、AR、MR等を包括するxR技術により、主に現実観光客、仮想観光客、観光業者が交流しながら観光や買い物を楽しめるxR空間を現実の観光地に実現するサービスである。ユーザはtabimeloに参加することで、ARを利用した現実観光や、VRを利用した時代を越えた仮想観光とともに、現実観光客と仮想観光客の同行観光や買い物等、現実と仮想を越えたコミュニケーションを交えた新しい観光体験を得ることが出来る。

 キャッチコピーは、『現実と仮想の観光客が入り混じり新しい観光体験を生むxRサービス』。


『CLASSY』
CLASSYCLASSYCLASSY
 2019年における日本の食品廃棄量は年間612万トンであり、世界第6位の廃棄量である。食品ロスは資源の無駄遣いや環境破壊、食料格差など深刻な問題に関連する重大な社会問題であると知られている。本事業では食品ロスに対し、特に外食産業での食品ロスを削減するため、食べ残しを持ち帰ることができるドギーバッグ”CLASSY”の提案とその普及に取り組む。
 日本においてはドギーバッグは日常的には用いられず、飲食店で発生する食べ残しを持ち帰ることはあまり行われていない。その理由を調査をすると、男性の持ち帰り行為がかっこ悪いやダサいなど回答が見られた。つまり、日本は男性が食べ残しを持ち帰りにくい社会であると考えられる。そこで本事業で提案するCLASSYでは『持ち帰りが「ダサい」から「かっこいい」へ』というコンセプトのもと、かっこいいを好む20代から30代の男性がスマートに持ち帰ることのできる社会を目指す。そのためCLASSYの外観は男性が好むと考えられる直線的かつシンプルなデザインとし、持ち運びやすいようにコンパクトに折りたたむことができる構造となっている。
 CLASSYの販売方法に関して、本事業ではCLASSYを消費者と飲食店に向けて販売する。飲食店は購入したCLASSYを消費者に向けて販売する。持ち帰りが普及していない日本においては、一般に飲食店の許可なしに持ち帰りを行うことはできない。そこで飲食店で販売したCLASSYの売り上げを全て飲食店の収入とすることで、CLASSYの売り上げによる収入の増加と食べ残しが減ることによる廃棄コスト削減という2つのメリットを飲食店に与えることができる。

 キャッチコピーは、『「さ、持って帰ろ」持ち運びも持ち帰りもスマートに。』。


『Refrink』
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 本事業では、近年問題視されているフードロスに対し、所属団体や居住地域など、またはフードロス削減を目指す目的で新たに形成されたコミュニティで、それぞれの余剰食材等を共有することによりフードロス問題の解決を目指す。 本事業で提供するアプリケーションは、(1)共有の冷蔵庫を中心としたコミュニティの形成、(2)余剰食材とそれを用いた経験の共有、(3)食材販売者や冷蔵庫のリース事業者と一般利用者を直接結びつける、の三つを支援する。
 まず利用者は、冷蔵庫を中心としたコミュニティを形成する。そして、コミュニティのメンバーにシェアする余剰食材を入れたり、冷蔵庫からシェアされた食材を取り出したりする。その出入りする食材の情報はアプリケーションで管理されシェアされる。これにより、直接顔を合わせなくとも「お裾分け」が可能となる。余剰食材を提供することで、家庭内のフードロスが削減できることはもちろん、共有してもらった側も、単に金銭の節約になるだけでなく、フードロスの削減に役立ったという自負や、提供者がわかる機能によりコミュニティに対する帰属意識が高まる。こうした効果により、また共有しよう、アプリケーションを使おうという動機が生まれると予測している。また、食材販売者とコミュニティを直接結びつけることは、新たな供給先を作りフードロスの削減に寄与するだけでなく、地域産業への興味関心、愛着を生む効果があると捉えている。冷蔵庫リース事業者との結びつけも同様であり、供給先の創出以外に、地域の事業と市民を繋げる効果が期待できる。これらは、地域の結びつきを強め、地域全体でフードロスを削減していく、という動機付けを行うものであると考えている。 
 フードロスの量は現在の日本において非常に多い。日本らしい「お裾分け」の文化が薄まりつつある中で、他者との食材の共有を通してフードロス削減に取り組む本事業は意義のあるものだと考えている。

 キャッチコピーは、『お裾分けしませんか?』。


『マチハク』
マチハクマチハクマチハク
 近年、京都市における空き家の物件数が増えている。空き家が増えることにより、不法侵入、放火といった治安の悪化、雑草や樹木の繁茂による景観の悪化、老朽化による安全性の低下などの問題が発生するため、見過ごせない大きな問題となっている。また増加している空き家物件に京町家も多数含まれており、京都の伝統である京町家を後世に残すのが難しくなっているのも京都市が抱える大きな問題となっている。
そこで私達は、京町家を利用した地域密接型シェア別荘事業「マチハク」を提案する。本事業は、空き物件となっている京町家に対してリノベーションを施し、再活用する。リノベーションを行った京町家をシェア別荘としてユーザーに提供する宿泊事業となっている。シェア別荘事業であるので、ターゲットは、別荘にある程度興味を持っている40~60代の中高年に設定している。本事業は周辺施設と連携した地域密接型事業(例、自社は宿泊者に対して料理を提供しない。そのため宿泊者は近くのカフェ等に行き食事をする)となっているため、自社だけが利益を上げるのではなく、街全体が活性化するような形態をとっている。また本事業では、京都市が行っている京町家マッチング制度を利用し、連携を行う。京都市は、空き家問題と京町家保全問題の解決を望んでおり、この課題を解決する事業に参画することで、持続可能な京都の社会づくりに貢献することができる。
この事業を通して空き家を少しずつ減らしていくだけではなく、マチハクを利用した人に京都の魅力を知ってもらうことで長期的には、京都に移り住む人を増やすことで空き家問題のさらなる解決に繋げたい。

 キャッチコピーは、『町に泊まる、町に泊まる』。


2020

『3SSmoothie』
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 近年、朝食を食べない人の数が増えている。朝食を食べることによる作業効率の向上や健康状態の改善は様々な研究で認められているが、欠食率は全世代で増加しており、こどもへの食育に対する関心低下や生活習慣病の増加などの悪影響も懸念される。特に欠食率の高い世代は20代であり、大学生の朝食欠食率は約3割といわれている。一方で、主に大学生を対象にした自社調査では、「朝食を食べないことがある」という人の約8割が「朝食の必要性を認識している」と明らかになり、食べない理由としては約7割が「時間がない」と回答した。これらの調査から、朝食を必要と感じながらも時間を取れないこと 朝食を食べられない大学生の存在を明らかにした。
 そこで私たちは、20代の大学生や社会人が通勤、通学中に手軽に食べられる朝食スムージーの販売事業「3SSmoothie」を提案する。スムージーの材料となる野菜や果物には、直売所で回収した農家の規格外野菜を中心に使用する。新鮮な状態の野菜、果物をスムージー用に冷凍保存することで美味しい朝食を消費者に提供するだけでなく、本来捨てる可能性があった規格外野菜を使うことで農家の廃棄野菜削減にも貢献することができる。
 私たちはこの事業を通して20代の朝食に対するニーズを満たし、「これなら朝食を食べられる」という新たな需要を生み出す。この需要に対して規格外野菜を使った商品を供給することで、生産者と消費者がそれぞれの課題を解決し合うという相互作用を生み出し、持続可能な関係性を構築することを目指している。

 キャッチコピーは、「規格外野菜で朝食欠食を改善する」。


『Follab』
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 私たちが普段飲むコーヒーの裏側には、生産者の貧困問題が潜んでいる。この貧困問題の解決のために様々な方策が打ち出されている。その一つがフェアトレードである。しかし、日本においてのフェアトレードの認知度は低く、生産者の貧困問題に対しての理解が進んでいないため、日本におけるフェアトレードの市場規模は国際的に比較して低いのが現状である。
 本事業は、アプリケーションを通して京都内から参画者を募集し、小規模コーヒー専業農家や組合が農閑期に生産した原料や、コーヒーの副産物などを用いた商品開発に携わらせるものである。商品開発は先行事業者監修の下で行われ、商品は国内で製造されたのち、本サービスの事業者が販売チャネルを通して一般消費者に販売する。また、物流コストや人間の移動の負担が比較的少ないアジアを中心として、生産者の農閑期の仕事の内容・種類・時期をリサーチする。現地農家と連絡を取り合いながら、現地の特性やどのような人が生産を行っているのかをインタビューをして、それらの情報をアプリケーション内の募集要項に掲載する。
 本事業により、生産者の貧困問題を改善することと、日本におけるフェアトレードの認知向上と、将来的にフェアトレードの考えに基づいた消費文化を醸成させることを目指す。

 キャッチコピーは、「フェアトレード事業をみんなで作って、みんなで届ける」。


『かんさつさんぽ』
かんさつさんぽ_1かんさつさんぽ_2
 現在、動物虐待や象牙取引による検挙件数は増加傾向にあり、犬・猫の殺処分件数は減少傾向にあるものの、平成30年度現在で約38、000頭と決して少なくない数字である。このように動物が人間の都合で命を奪われたり傷つけられたりすることを解決したいという思いから、「飼育放棄・動物虐待・殺処分・狩猟・動物解剖などの動物に関する問題全般」に着目した。この問題を解決するには、幼い頃から動物を思いやる気持ちをはぐくみ、社会課題やその対策を知ることによって小学生の動物倫理観を向上させることが重要と考えた。
 そこで我々は「かんさつさんぽ」という小学4、5年生を対象とした動物倫理観を向上させるための道徳教育プログラムを提案する。4年生の段階では、動物の立場になって考えるよう促し、動物の気持ちに寄り添える人になること、また、主体性を持ち自ら動物倫理を学ぶ姿勢を養うことを目指す。5年生の段階では、4年生で培った視点や考え方を携え、動物に関する社会課題とその対策を学ぶことにより、これまでと違った観点から動物を見ることを目指す。最終的に、動物に関する社会課題や取り組みに興味を持ち、自分の意見を持てるようになることを目標としている。
 本プログラムが普及することで、将来的に動物に関する社会課題への意識が高い社会となり、不幸な運命をたどる動物の数の減少が期待される。さらには、動物虐待を減らすことが人間への暴力、ひいては暴力犯罪を減らすことにつながることも期待される。

 キャッチコピーは、「子どもたちの見るめを養う新教育!」。


『シンクロ』
シンクロ_1シンクロ_2
 ファストファッションなどの繁栄により衣服の購入サイクルが加速化、それによりコスト削減を狙って衣服の大量生産が行われるようになった。ユーザは着たい服と出会う機会が増え、1年に10着以上購入するという人も少なくない。しかし一方で、服一着に対して考えるという行為がおろそかになり、買ったはいいが着ない服も増えている。購入されるか否かにかかわらず、近年この衣類の廃棄が環境汚染につながる重大な問題となっており、早急な解決が望まれている。 
 そこで、本事業では自宅やアパレル店舗などの特定の場所にとらわれることなく、ユーザの「本当に着たいと思える一着を考える」プロセスをいつでも支援するためのアプリを提供する。このアプリでは、パーソナルデータを持つAIがユーザの服の好みやその服のコーディネート情報などを、ユーザに合わせた内容で対話を繰り繰り返すことで、服の大量購入を抑えながら購買プロセスを支援する。また、他にも”買いたいものリスト”や”バーチャル試着”・”クローゼット”などの機能によって、その「一着を考える」プロセスの支援も行う。また、”タイムライン”では衣服と環境について、より身近に考えてもらえるような情報を提供する。
 本アプリはユーザにとって相談者が人でないため、思いついた時や、衝動的に着たいと思った服に出会ったときに気兼ねなく開くことができるし、素早く対応することができる。また、アプリで回収したデータをアパレル企業に提供することで、流行の予測や販売数の目安を予想するためのデータとしても活用できるため、生産量の調整にも役立つことが期待される。

 キャッチコピーは、「脱・ひとりぼっち服選び」。


『インフォクエスト』
インフォクエスト_1インフォクエスト_2
 本企画では、小中学生を対象としたPISA型読解力の向上を目的としたゲーム型アプリ 「インフォクエスト」を提案する。本アプリは、近年社会問題となりつつあるインフォデミック等の情報障害に対応する手段として、児童や生徒らに自ら読解力を高めるための訓練をゲームに落とし込んだ学習教材である。OECDが実施するPISA型テストにおける読解力項目の低下に対して、年齢の低い時期から優れた情報対応能力の発育を促すことを目的としたサービスである。
 本サービスでは、近年の小中学生におけるゲームコンテンツへの関心の高さと、「情報」教科における新指導学習要領の内容的曖昧さから、ゲームによるメディアリテラシー教育に機会領域を設定した。本サービスで提供するアプリはクイズを解いて進めるRPG形式で、特徴としては出題された問題に対してユーザがプレイ中に「調べる」という検索の手順を踏むところにある。出された問題に正解することで敵を倒し、得られる報酬で自身のゲーム内コンテンツを充実させていくという仕様になっている。
 本事業は、日本政府のICT教育導入の一策として小中学生の学内利用を想定し供給されるタブレットへの導入を前提している。本事業の存在が、学習へのICT導入が遅れている日本における新しい導入例になることが期待される。また本事業の普及によりネットワークエチケットも改善されていくだろう。

 キャッチコピーは、「ゲームで培うメディアリテラシー」。


『wrappolish』
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 昨今、海に流出したプラスチックごみが海の生態系に甚大な影響を及ぼしていることが世界的に問題になっている。プラスチックには様々な種類があるが、特に流出の多くを占めているのが「容器包装用等プラスチック」である。この種別のプラスチックは弁当箱のような使い捨て用途が中心で、再資源率は低いため、リデュースが重要となってくる。
 そこで私達はスーパーにおける野菜の過剰包装に着目し、包装を減らすために新しい量り売りのシステムを提案する。このシステムでは量り売りに馴染みのない日本人でも簡単に利用できるように、自動で計量してその重さに応じた値段をリストバンド型の端末に課金する。利用者はリストバンドをレジでかざすことで精算を済ませることが可能である。また、スーパーや生産者も包装の手間が減るため人件費が削減できたり、より新鮮な野菜を早く届けることができるようになったりと、生産者・利用者双方にメリットがある。
 本事業を通し、必要以上にプラスチックを利用しているということを利用者に意識させ、ペットボトルの利用を控えてマイボトルを利用するなどのその他のプラスチック利用における行動改善にもつなげることができると考えている。

 キャッチコピーは、「この包装、要りますか?新しい野菜売り場の形」。


『CO-芸ラボ』
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 伝統工芸は今や全盛期に比べ、生産額も従事者数も大幅に減少している。その主な原因は、環境の変化による需要の変化と減少に適応できていないことが挙げられる。職人や経営者らも変化していかなければならないことは理解しているものの、技術の高さを維持するための経営体制や職人が作ること以外を行うことが難しいといった理由から、需要の変化に応することが難しい。そこで私たちが着目したことは、伝統工芸が需要の変化に対応できるような環境を作り、伝統工芸と他業種とのコラボレーションを生み出すことである。
 本事業ではコラボレーション創出を支援する「co-芸ラボ」というサービスを提供する。「co-芸ラボ」はコワーキングスペースとアプリケーションから成り立っている。 コワーキングスペースでは、ここで働くワーカーたちが、サービス運営者が提携している職人たちと交流することで、伝統工芸と他業種とのコラボレーションを実現させていく。またアプリケーションでは、コワーキングスペースに置かれた工芸品を読み取り、工芸品の技術、こだわり、職人の姿勢、考え方などの工芸品の背景にある情報にアクセスできる他、職人の連絡先にアクセスすることができる。伝統工芸品を使い、興味を持ち、職人と連絡をとるという流れを提供していく。
 このように、「co-芸ラボ」がコラボレーションを支援し、伝統工芸が需要の変化に対応できるような 環境を作ることで、伝統工芸が復興していく手助けをし、京都及び日本の伝統文化に貢献することを目指している。

 キャッチコピーは、「伝統工芸に、新たな可能性を。」。


『皆食堂』
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 本事業は地域社会の希薄化問題を解決するために、現代のライフスタイルに合った新たな地域社会のあり方を提案する。現在の地域社会では、自治会・町内会の参加率が低下し、地域住民同士の交流が少なくなってきてい るという現状がある。その原因として、活動内容が不明確、参加するきっかけや必要が無い、という点が挙げられる。そこで私たちは、現代の社会のニーズに合わない自治体制が問題なのではないかと考え、地域ごとの問題に特化した自治活動を試みる。
 ここでは学生や高齢者が多く住む京都市左京区にフィールドを絞り、孤食や割高になる食材費など共 通の悩みを抱える単身世帯に焦点を絞った。自治団体のメイン活動を、皆で時間や食事を共有できる食堂運営とし、孤立していた住民同士が新たな交流関係を築くきっかけを作る。本事業により若者と高齢者をはじめとした地域の地盤形成が期待でき、そのことによって治安や防犯の向上が期待される。さらに日頃から食堂運営活動による共助が習慣化されることは、被災時のスムーズなコミュニケーションにつながる。本事業の特徴として、地域のつながりに価値を見出すスマイルポイントというポイント制度が存在する。スマイルポイントを活動内介在させることで、食堂運営の他にも地域のイベント企画や助け合いの モチベーションを向上させる。獲得したスマイルポイントは協賛店のクーポンとして還元することができ、地域住民同士の認知度向上につながる。
 時代と地域のニーズに特化することで、より自然に地域社会を作りだすことができる。また本事業により、地域の中でお金と人の流動を促進させることは地域活性化につながる。

 キャッチコピーは、「みんなで食べて、みんなで繋がる」。


『Reズム』
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 昨今、社会的な問題としてゴミの問題が挙げられる。その対策として、日本では3R(リデュース、リユース、リサイクル)が推進され、循環型社会の実現が叫ばれている。本事業ではその中でもリサイクルに着目する。現状、リサイクルには様々な企業や組織によるサービスが存在し、情報量の膨大さとプロセスの煩雑さに抵抗を感じる人が多い。そのため、どんな 企業がどこでどんなモノを回収しているのかの認知度を上げる必要がある。また、リサイクルすることは有意義であると思えるような仕掛けも必要であると考えた。
 そこで本事業はそれらリサイクルサービスを行っている企業や組織と、一般ユーザを繋げるシステムとしてスマートフォン用アプリケーション「Reズム」を提案する。Reズムは他の企業や組織 が行っているリサイクルできるモノを回収する回収ボックスが設置してある位置が確認できるほか、リサイクルされてできた製品を扱うセレクトショップや、リサイクルに関するニュース、コラムが読めるなどといった内容になっている。また、このアプリを開けたときや、リサイクル回収ボックスに訪れたとき、リサイクル製品を購入したときなど、リサイクルに関することを行うことでポイントが獲得できる。そして、その獲得したポイントによって抽選でリサイクルに関する特典が貰えるといった仕組みである。

 キャッチコピーは、「暮らしを奏でるリサイクルリズム」。


2019

『ウチらの!NEO性教育』
ウチらの!NEO性教育
 世界基準から性教育に遅れを取る日本にとって、性教育の普及は解決するべき一つの大きな課題といえる。日本では思春期における性機能に関する性教育のみにフォーカスされているが、北欧などを中心に実施されている幼少期からの性教育は、人権尊重意識の育成に大きく貢献し、意識改革が社会全体で促進されれば、生きづらさや悩みを抱える人々を減らすことが期待できる。
 日本においても社会をより良いものとするための全く新しい性教育のサービスが必要とされている。子どもを持つ家庭からも、性教育をより「正しく」「楽しく」「気兼ねなく」行える仕組みが必要であるとの意見が多く見受けられる。ユネスコが定める国際的な包括的性教育の取り決めである「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」が示す教育内容は、日本では「包括的性教育」と翻訳される。
 本事業ではこのガイダンスに沿った国際基準の包括的性教育の通信教育を提案する。カリキュラムは全109項目、幼少期から12年の期間をかけてしっかりと学ぶ。対象の年齢に合わせて、絵本、玩具、雑誌、アプリと形態は変化する。また、プロダクトに留まらず、ワークショップを全国主要都市で開催することで、子を持つ親に対しても包括的性教育の指導方法を説明し、サポートする。また,我々と共同で製品開発やワークショップを開催することで、教育・衛生・医療に携わる企業にとって、素早く手軽に包括的性教育に関するCSR活動をアピールできる。このようなCSR活動を行うことによるブランド力の向上、イメージアップは重要な経営戦略である。このように企業も含めて本サービスを展開することで、幅広くかつ幼少期から対象とした性教育を展開することで、人間の根幹育成の実現を目指す。

 キャッチコピーは、「今までの性教育・・・古くない?!性教育の新時代!」。


『ハングベリー』
ハングベリー
 現在、環境問題の中でもプラスチック問題が注目されている。特に海洋ゴミは海洋生物に与える影響が著しいばかりでなく、我々の環境にまで循環して影響を与える問題である。この海洋に漂うプラスチックゴミのうち、包装資材が47%を占めている。そこで本事業では、包装資材のプロトタイプとしてイチゴを包装するための新たなパッケージの開発し、普及を目指すことで、この問題に取り組む。
 このパッケージは、従来のイチゴを積み重ねるプラスチックパッケージではなく、ひとつひとつのイチゴを吊り下げる形式の紙素材でできた箱である。吊り下げはイチゴの茎を固定することで行うが、固定に使用する部品も紙素材のみで作ることができるため、プラスチックを完全に排除している。また果実を吊り下げることで、パッケージや果実同士の接触を軽減し、擦れによる傷の発生を大幅に低減できる上、茎を長めに残すことで鮮度も長持ちする。高級イチゴのパッケージに見られるようにイチゴを個々に包むことなく接触面をなくし鮮度を保つことが可能であるため、必要な包装資材が大幅に削減され、低価格化も実現できる。
 このパッケージを環境への配慮と機能性を両立できる、イチゴの新しい形のパッケージ、「ハングベリー/hangberry」と名付けてここに提案する。本パッケージが注目され、他の食品パッケージへもエコパッケージとして展開されることで、人々の環境問題の意識を高めることを目指す。

 キャッチコピーは、「環境問題を包むパッケージ」。


『アットリバー』
アットリバー
 昨今、自然破壊や水質汚染といった環境問題はもはや世界的な問題となっている。その原因となるのは、多くの場合私たち人間の身勝手な行動である。しかし多くの一般人は、身の周りの自然や環境に対して関心を持っていても、具体的に何をすればいいかわからず行動できないといった問題や、当事者意識が薄くどの程度深刻な問題かを認識していないという現状がある。
 この現状を受け、私たちが提案するのが「アットリバー」というアプリである。このアプリのユーザは鴨川沿いでランニングやハイキングなどの活動する人々である。ユーザが見慣れない動物の出現などの鴨川の異変を見つけてアプリを通じて報告すると、その情報が自治体などに共有され、駆除などに取りかかることができる。鴨川沿いで生活する人々にとっては鴨川の環境が整備され、自治体にとってはより効率的な情報収集が可能となるという双方にとってのメリットがある。
 投稿できる内容は鴨川に生息する生き物に関することだけではなく、修繕が必要な箇所なども想定している。自分で報告した場所が改善されたり、生き物が他のユーザと共有されたりすることで、自分が住んでいる地域を自分たちで守っているという当事者意識が生まれ、軽率なゴミのポイ捨ての抑止など個人の行動改善につなげることができる。

 キャッチコピーは、「歩き方改革 -自然を守る、自分を守る-」。


『charin-chi』
charin-chi
 京都市をはじめとして全国的に放置自転車が問題となっており、予算の多くが放置自転車の撤去などによる対策に充てられている。また、放置自転車の傾向が「大規模・集中」から「小規模・分散」へと変化していく中で、従来の放置自転車対策の効果が薄れてしまっている。そこで、放置自転車を撤去で減少させるのではなく、駐輪場の利用を促進することによって放置自転車の減少を図る新しい放置自転車対策方法を提案する。
 調査により、駐輪場を利用しない人たちの主な理由が料金の高さと駐輪場の混雑であることが判明した。そこで本事業ではこれらの理由で駐輪場を利用していなかった自転車利用者を対象とし、京都市の中心部の中で特に駐輪場の数が多い四条河原町・四条烏丸のエリアを中心に展開する。
 本事業では、駐輪代金の精算システムと近隣の駐輪場の検索およびその空き状況のリアルタイム表示機能をアプリケーションで提供する。このアプリを通して駐輪料金を精算することで、顧客は近隣店舗や駐輪場の精算に利用できるポイントの獲得や中心部と周辺部の混雑状況の違いに応じた駐輪料金の値下げなどの金銭的インセンティブの獲得が可能である。また、目的地付近の駐輪場を探し、その空き状況が確認できるため、駐輪場が混んでいて止められないという状況を防ぐ。以上のサービスの提供によって駐輪場の利用を促進することで、放置自転車の数を減少させることを目的とする。

 キャッチコピーは、「「駐める」が生み出す、楽しく便利な生活のサイクル」。


『ホイクシニア』
ホイクシニア
 近年、少子化にも関わらず、共働き世代の増加や女性の社会進出などのため、保育士のニーズが高まっている。しかし、保育士不足が社会問題となっている。本事業ではその原因のひとつである保育士の負担の大きさを軽減することを目的とする。
 本事業では、経験豊富なシニア世代を保育補助の人材として起用し、保育現場に派遣できるシステムを提供する。保育補助は、食事・トイレの補助やお昼寝のときの見守り、おもちゃの準備や片付け・消毒などの保育士が手の回らない部分の業務を行うことが主な役割であり、資格や経験のない人でも働くことができる。また、シニア世代の中には労働場所を求めている潜在的な人材が存在するため、その需要を保育士の負担軽減に有効活用することができる。また、地域のシニアに保育現場に参加していただくことにより、シニアを含めた地域コミュニケーションが生まれることが期待される。
 本事業ではアプリケーションを作成し、退職後の雇用場所や生きがいを求める地域のシニア世代と、保育士の負担増加や人材不足の問題を抱える保育園をつなげる。これにより、より気軽にシニア世代の方が保育現場に参加できるような環境を生み出し、保育現場を支えることを可能にする。

 キャッチコピーは、「保育現場に、シニア力を」。


『一八〇』
一八〇
 昨今「日本酒離れ」と呼ばれるように、若者を中心として「日本酒を楽しむ文化」が失われつつある。本事業では、日本酒という日本の伝統文化を衰退から守ることを目的とする。日本各地に存在する酒蔵はこれまで、土地に根付いた地酒造りで日本酒の種類を増やすことに貢献してきた。一方で、この日本酒のバリエーションの豊富さゆえに、どれがおいしいか、どのように飲むのがおいしいかがわからず、ハードルが高いと感じてしまう人が若者を中心に増えている。この日本人の日本酒離れの加速により、中小酒蔵が経営難に陥り、全盛期の半分程度まで生産数を減らしているところが多い。
 我々は、日本酒を楽しむ文化を守るためには、生産者側が抱える問題と、消費者側が抱える問題の双方を同時に解決しなければならないと考えた。そこで本事業では、「一八〇」という、量り売り形式で販売を行う日本酒専門店を提案する。量り売りにすることにより,日本酒の原価の多くを占めるビン詰めコストを削減して販売利益を向上させ、仲介業者を省いて酒蔵から直接日本酒を仕入れることで、より手の届きやすい価格で消費者に日本酒を提供できるようにする。日本酒入門者にもカジュアルに利用できるようにするため、オリジナルタンブラーを用いて量り売りを行うと同時に、店内では日本酒ソムリエの資格を持つ店員が常時待機し、日本酒に関する情報提供や、おつまみとなる缶詰の販売と食べ合わせについてのアドバイスや日本酒関連イベントを行う。
 これらを通して、酒蔵にも消費者にも優しい日本酒販売を行うことにより、日本酒は気軽に飲むことが出来るという印象を消費者に与え、日本酒という伝統文化、並びに日本酒を日常的に楽しむ文化に貢献することを目指す。

 キャッチコピーは、「-日本酒を日常に- 気軽に楽しめる量り売り」。


2018

『Plat Craft』
Plat Craft
 昨今、オンライン販売網の台頭によりモノの作り手と買い手の間の隔たりはますます広がる一方である。この関係性の希薄化はモノへの愛着を薄め、作り手の軽視や工芸の後継者不足などの社会問題にも繋がっていると考えられる。
 このような問題意識が広がり、作り手が直接販売するという形式で物を売買する場も増えてきつつある一方で、こうした場はその良さを知る一部の人々しか積極的に関わらないために広がっていく力に欠けているのが現状である。
 本サービスはこのような作り手による対面販売の形を残す「手づくり市」という場に着目し、そこへ足を運んで豊かな購入体験をしてもらいやすくすることで上記の社会問題解決の流れを作ることを目標として掲げている。買い手に対しては情報を集約してわかりやすく表示し、手づくり市に足を運ぶ前の最初の一歩を後押しする。そのため作り手や市の運営団体にもメリットがある。利用にあたってはユーザー(作り手・買い手の双方)に対して料金を要求せず、クラフトに興味のあるユーザー層に対し効果的な広告宣伝を行えることを利用し、アプリ内広告によって諸経費を賄う。このように、関係者の負担を増やしたり手づくり市が元々持っている魅力を失ったりすることの無いようサービス内容を検討し、本サービス「Plat Craft」が誕生した。

 キャッチコピーは、「くらふとに、ぷらっと」。


『crosumu』
Score
 現在、都市部への人口流出が加速している。私たちは、その原因として、多様な生活への知識が失われつつあることや、地元への愛着が薄れつつあることが挙げられると考えた。
 そこで、私たちは「CROSUMU」というサービスを提案する。「CROSUMU」は、「海や山の近くに住んでみたい!」 「田舎で暮らしてみたい!」「大都会で暮らしてみたい!」といった「地元とは違う場所で暮らしてみたい!」とい う希望を持つ人を対象に、違う地域で暮らす見知らぬ2 人をマッチングし、交換留学といった形でお互いの生活 拠点を交換することで、知らない暮らしを体験できるサービスである。本事業は、スマートフォンアプリケーショ ンとweb サイトの2 つの媒体で展開する。そこで、利用者は自分の暮らしの情報を「わがまちの情報」として投 稿し、普段の暮らしの様子やその地域の見どころを発信する。その投稿をタイムライン形式で表示することで、利 用者は他の利用者の投稿を閲覧できる。また、それを活用して交換相手を探すことができる。そして、利用者がマッ チングすることで交換留学を実施する。この様に、本事業は、交換留学を通じて、利用者が他地域の暮らしを学び、 地元の魅力を再発見するきっかけを提供する。また、副次的効果として、移住者、関係人口の増加が期待される。
 本事業は前述の通り、地域間で暮らしを交換する交換留学のプラットフォームサービスであり、その収益源は利 用者の会費及びマッチング成立時の手数料となる。さらに、本事業では利用者の希望に応じて留学時の移動経路の 手配を行うため、第3 種旅行業者としての側面も持つ。
 次に、本事業のターゲットに関して、その事業内容からターゲットの基本的属性として「未婚で同居者のいる大 学生以上の学生及び社会人」と設定し、そのうち将来の「移住」に興味関心を持つ人や単に「他地域の暮らしを知 りたい」といった人がターゲットになると想定した。そして、収支予測の結果、本事業は4 期目で当期純利益が黒字、 6 期目に累積利益が黒字に転じると予測された。

 キャッチコピーは、「人生交換留学サービス ー 他地域の暮らしを学ぶことで、地元の良さをきづくきっかけづくり ー」。


『Journey Genie』
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 現在、京都や鎌倉など主要な観光地に多数の観光客が集中していることに起因して歩 道が歩きにくい、バスですし詰めになってしまうなどの社会問題が発生している。観 光客の中でも観光庁は外国人観光客数を今後も増加させていくことを目標としており 一層の過密が予想されるため、対応策が必須である。
 私たちはこの社会問題の一因はルート検索サービスの不十分さにあるのではないかと 考えている。現状提供されているルート検索サービスでは、「最も早く」「最も安く」 といった効率的なルートのみを提案するため、特定の箇所に観光客を集中させてしまっ ている。その結果、一部のルート上で過密を発生させてしまう。
 そこで、この社会問題の解決を目指す事業として私たちは観光客、特に現地での情報 収集が行いにくい外国人観光客をメインターゲットとした旅行時の散策経路提供事業 を提案する。本事業では、” Journey Genie” というアプリを活用し出発地から目的地 へ向かう道中に立ち寄ることのできるスポットをユーザの好みに合わせて複数提案し、 その中からいくつかのスポットをユーザが選択することでそれらを巡ることのできる ルートを提供する。
 サービスの利用者は“Journey Genie” を自身の興味のあるスポットを巡るために利用 するが、本サービスは単なる検索機能のみを意図したものではなく、過密に起因する 社会問題への対応策でもある。先述のとおり、本アプリは各ユーザの嗜好を反映する ため既存のサービスと比較してより多くの種類の経路を提案する。このため、図1( 次 ページ) のようにユーザの選択する経路が分散し、過密問題が低減すると考えられる。 また、この提案は嗜好を反映したものであるため「混雑を避けるために迂回しなけれ ばならない」といったネガティブな印象を与えづらく、積極的な利用が可能であると 考えられる。
 つまり、私たちの提案する” Journey Genie” は充実かつ快適な旅行行程を提供するサー ビスである。
 本事業はアプリの利用者に立ち寄ってもらいたい商店からの広告収入を基に運営する ことを想定しており、3 年後には観光客の30%程度が利用者になることを目指してい る。また、この広告収入は費用対効果を高めることでより多くの商店からの広告を掲載す ることを目的に、成果報酬を主体としている。

 キャッチコピーは、「Your Route is My Command.」。


2017

『KyoTrip』
KyoTrip
 KyoTripとは外国人観光客をターゲットにした、京都の観光スポットの様々なシーンを見ることができるアプリである。本アプリはマップを参考に観光スポットを巡ってもらい、特定の観光スポットのある地点にたどり着くと使用することができる。そこでは360度パノラマで、その観光スポットの様々なシーンを楽しんだり、各観光地の解説なども読むことができる。
 しかし本アプリが顧客に提案したい真の価値は、防災アプリとしての一面である。外国人観光客の防災意識が低いこと、防災に関して誤った認識を抱いていることは以前から問題視されてきた。災害時に最も情報弱者になりやすいのは外国人観光客なのだ。KyoTripはこの社会問題の解決を目的としたアプリケーションである。
 具体的には、利用者は色々な観光スポットを巡る途中で、様々な災害シーンにも出会うことになる。外国人観光客には、まずは日本は災害が多い国であることと、少しでも防災について意識してもらいたい。またアプリを通して得られる情報の中には、避難場所の情報などの、災害時に避難する際に役立つ情報も含まれている。外国人観光客の中には避難場所を知らない人や、誤って認識している人も多くいるので、観光中に本アプリを使用することによって、無意識のうちに正しい知識を付けてもらいたい。そして有事の際には本アプリは利用者を最寄りの避難場所まで案内する仕組みとなっている。緊急時になってから避難場所の情報を集めたり、防災アプリをダウンロードしたりする必要はない。外国人観光客は旅行中に正しい知識を身につけ、有事の際でも使い慣れたKyoTripによる安全な避難が可能である。
 私たちの提案するKyoTripは外国人観光客の京都観光をより楽しく、安心できるものにするアプリケーションである。

 キャッチコピーは,「あなたにみせます、色んな京都」。


『score』
Score
 現在の⽇本の就職システムでは新卒採⽤が⼀般的であり、膨⼤な企業の中から⾃分にあった企業を候補に挙げ、選考を進んでいくというスタイルが取られている。このスタイルは、特にスキルなどがない学⽣を卒業後にすぐ採⽤し、会社で育て上げていくという観点から⾒ると⾮常に良いシステムであると⾔える。しかしながら、現状のこのスタイルは、⾃分がどのような職業に向いているか、就活が始まるまで、特に考えたことがない学⽣にとって、突然の⼤量の情報の取捨選択を迫っているとも考えられる。就活への不安の有無について、事前にアンケートをとったところ、就活に対する不安は就活を始める前に最も持ち、就活を終えた社会⼈は、就活への不安というよりも、就活中の時間管理などに苦労したことが⽰された。
 このことを踏まえ、私たちは、就活を気軽に始めてもらうためのサービスとして、“score”を提案する。本事業での具体的なターゲットは次の2者である。まず、就活に不安を持つもののなかなか⾏動を起こせない就活⽣に対し、説明会情報提供アプリ“score”によって、雰囲気検索などで、その⼈の雰囲気にあった企業の説明会をお勧めできるシステムを提供することで、気軽に説明会へと参加することを可能とする。次に、まだ就活を始める時期ではないが、就活に余裕を持って取り組みたい⼤学⽣に対しては、“score”に掲載する説明会情報を取材するバイトを斡旋することで、早期から就活へと触れる機会を提供する。また、“ベースキャンプ”において無料の電源とWi-Fiを常時使⽤する権利を持ち、さらに、企業との交流イベントなどにも参加することができる。
 以上のサービスの提供により、⼤学⽣に就活を気軽に初めてもらうことで、早期から触れる機会を増やし、最終的には、⾃分にあった企業と出会ってもらうことを⽬的とする。

 キャッチコピーは,「就活、はじめました 就活って何?どうやって始めるの?とりあえずやってみない?」


『connectree』
connectree
 日本の地域住民と外国人観光客は、情報源、言語、イベントの場所の3つが異なるために、交流する機会が少ないという問題があります。地域住民は65歳以上の高齢者が多いため、地域の小さなイベント情報は手書きの日本語で書かれ、地域の掲示板やお店の前など特定の現場に貼り出されます。また、彼らが集まるのは、公民館や商店街などの地域の公共の場です。一方、外国人観光客は20・30代の若者が多く、日本の観光情報をネットを使って検索します。その結果、彼らは有名観光地に足を運びます。観光中に地域イベントの掲示物を目にする機会はありますが、言語の違いから読むことができません。このように地域住民と外国人観光客はほとんど交流の機会がありません。
 そこで私たちは、地域の小さなイベント情報を、地域住民だけでなく外国人観光客と共有するサービス「connectree」を提案します。グローバルな言語に対応し、誰でも地域の情報を手に入れることができます。本サービスでは、地域の小さなお祭りや、個人の店舗の季節の売り出し品など、外国人向け旅行情報サイトには掲載されないような、地域の小さなイベント情報を提供します。
 サービスを提供する媒体は、電子掲示板とウェブサイトです。電子掲示板は、主に商店街などの公共の場に設置することを想定しています。高齢者にも使いやすいように、手書きの文字で情報を入力できるインタフェースなっています。また、親しみを持ってもらえるように木をモチーフにしたデザインとなっています。また、電子掲示板で表示されるものと同じ情報が、ウェブサイトで表示されます。地域のイベント情報をどこからでも更新・閲覧可能です。
 「connectree」を使うことにより、普段は交わらない外国人観光客と地域住民が地域のイベントを通じて交流し、お互いが知らなかった文化や暮らしを知ることができます。

 キャッチコピーは,「connect locally, everywhere. もっと地域にコネクトしよう。」